| 第十三回東京国際映画祭 優秀芸術貢献賞受賞作品 NEWYORK-TOKYO FILM FESTIVAL 出品作品 |
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「式日」は国内外の映画祭に出品したほか、2000年12月から東京都写真美術館で限定上映され、話題になったものです。監督を手がけたのは、「新世紀エヴァンゲリオン」で一躍注目を浴びたアニメーション映画監督・庵野秀明。'98年に撮った実写映画「ラブ&ポップ」に続いて作り上げた2作目の実写作品となります。 原作は『平成ガメラシリーズ』に出演していた女優・藤谷文子が17歳から19歳の間に少しずつ書き上げた『逃避夢』。『ガメラ』シリーズの特撮監督・樋口真嗣が原文を読み、「彼女の闇を見ましたよ」と庵野監督に読むように勧めたことがきっかけで、映画化されるに至りました。 タイトルの「式日」とは、古い言葉で儀式を執り行う日のこと。 描くべきテーマを見失い、虚構の世界を構築することに意義を無くした男=主人公「カントク」は、都会を離れ、故郷を彷徨います。そんな時、深い孤独を抱え「誕生日の前日」を生きつづける「彼女」と出会います。「カントク」は「彼女」を見つめながら、自分自身を見つめなおすうちに、「彼女」の果てし無い心の闇を知る。そして、その心の闇を受け止めたいと思いはじめる。「彼女」は「カントク」に恋愛感情を抱き、依存するようになり…。映画は、「来るべきはずの明日」からどこまでも逃げ続ける「彼女」と、それを見守りつつも「虚構」を創る「現実」へ戻れない「カントク」の奇妙な32日間をドキュメンタリー風に追いかけるように綴られています。 庵野監督の分身とも見える主人公の「カントク」役を演じるのは、「Love Letter 」や「スワロウテイル」、「リリイ・シュシュのすべて」で知られる映画監督・岩井俊二。本作が俳優初挑戦となります。「カントク」が見守るヒロイン、「彼女」役は、原作を書いた藤谷文子。「彼女」の母親を大竹しのぶ、「彼女」となんらかの関係を持つ謎の自転車の男を映画「ナビィの恋」で注目され、現在活躍中の村上淳が演じています。 また、「カントク」と「彼女」の心の声として劇中に流れるナレーションは、人気声優の林原めぐみと、人気劇作家・松尾スズキがつとめています。撮影は庵野監督の故郷である、典型的な地方工業都市山口県宇部市で行われ、宇部市が持つ独特で美しい無機的な感じが、「カントク」と「彼女」の孤独さをより引き立てています。 現実に疲れ、逃避してしまいたいと思う気持ちは誰の中にもあるもの。観る人に、痛みとある種の切なさと、心の闇を露呈してしまうような不安や衝撃を与えながらも、庵野監督特有の哲学を反映した映像美は質が高く、監督自身の映画に対する愛情を感じる作品に仕上がっています。この機会に、「カントク」と「彼女」と一緒に、自分の中にある心の闇に触れ、生き方を見つめなおしてみるのも良いかもしれません。 |
2000年製作
カラー 本編約128分 © 2000 F&A・STUDIO KAJINO |
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